(仮)KOURO

読書の記録やセミナーなどのふりかえり

1/23(土) ビジネス・コミュニケーションリーダー養成講座 第三回目のまとめとふりかえり~その1~

1)講座概要

日時:1/23(土) 15:00~18:00
場所:京都大学 デザインファブリケーション拠点
講師:塩瀬隆之(しおせたかゆき) 京都大学総合博物館 准教授

↓講座概要
http://www.design.kyoto-u.ac.jp/activities/forthcoming/6733/

 

★つぶやき
塩瀬先生のことは、この講座と同じ京都大学デザイン学大学院連携プログラム主催の「イノベーション都市をつくる」という講演でお近づきになった方から、たんぽぽの家さんにかかわられている人だと聞いていて、ずっと興味をもっていた。

イノベーション都市をつくる
http://www.design.kyoto-u.ac.jp/activities/forthcoming/5504/
↓たんぽぽの家
http://tanpoponoye.org/

 

2)自己紹介がわりの動画
塩瀬先生が手がけたワークショップの動画を観る。
三重県立博物館のリニューアルオープン前にやったワークショップ(以下、WS)で、展示品が入っていないそのときにしかできないもの。

「人間が展示品になりきって博物館の機能を体験するWS」!

まず家族のひとりが展示品役に選ばれ、自分が何になるかを決める。
→展示品役の人が普段は絶対に入れない経路から保管庫に搬入され、展示されるまで100年間眠る(ライトOFF/ONで体感)。
→ずらっと並べる展示室に、自分は何の展示品かを書いたテロップをもった人たちが年齢順に登場。
→入場した家族が展示品を鑑賞する。

 

★つぶやき
この動画で一気にひきつけられる。
会場にはコトバで表現すると「おお!」というドヨメキが起こっていた。
塩瀬先生は講座の内容やそのメンバーを想像して、この動画で自己紹介することを決めたとのこと。
このような動画をいくつかもっているらしい。
どこでも同じ自己紹介をしていたらダメだな。
その場に集まった人たちの興味をひきつけられるような、自己紹介の引き出しをストックしておくことってカッコイイ!

 

3)「①言葉」-「②観察」-「③極端」-「④問い」
これまでとちがうものを生み出そうと思ったらそれなりの手続きがいる。
たとえばいまはやりの「イノベーション」。
時流に乗ろうと思ったのか「イノベーション」を冠する部署がつくられたりするが、何をしたらいいのか困っているところが多い。つまり名ばかり「イノベーション部」というわけ(笑)
これは「イノベーションとは何か?」を考える以前の、イノベーションの種が育つのを遮るソシキの問題だったりする。

"同じ"メンバー、会議の方法、モノサシでは、これまでと同じことしかできない。
"新しい"メンバー、会議の方法、モノサシがあって、新しいことができる可能性が生まれる。

ブレーストーミングをして新しいアイデアを出そうとしても、よいアウトプットが生まれないことがある。
ブレストを「幅跳び」にたとえてみると、よいアウトプットが生まれないブレストはいきなり結果を求めて「立ち幅跳び」になっている。
「幅飛び」には「助走」が大切。「助走」があってはじめて「大ジャンプ」が達成される。
ここでたとえられている「助走」とは、まず"言葉をソロエル"ことである。

 

4)①言葉の共有WS
▼「コケル」から受け取るモノ
最初のWSとしてグループに分かれて「コケル」様子を描いてみる。
手を大きく広げることでその様子を表現したり、その原因である石などを描くことによって表現したりと人によって様々。

ここで看護師の申し送りの様子の紹介。

Aさん「この患者さん、よくコケルから気をつけてね」
Bさん「はい、わかりました」

Bさんは、この患者さんがコケないように工夫してみたらしい。

足をひきづって歩いていてもつまずかないように、スリッパに「すべーる」というテープを貼ってみたり。
暗いところで段差につまづいて転ばないように、段差や障害物に蛍光テープを貼ってみたり。
つまり"つまづいて"コケルからと思って摩擦を"減らす"工夫をした。

しかしこの患者さんは"つまづいて"コケルのではなく、"すべって"コケル人だったのだ。
だからこの場合の工夫の正解は、摩擦を"減らす"のではなく"増やす"ほうだったわけである。

 

▼10年後を考える
よくある問いに「このソシキが『10年後』どうあるべきか考えてみてください」というものがある。
不思議なことに、この問いを議論しても、答えはその問いが「20年後」であっても「30年後」であっても同じものになることが多い(笑)

ここでWS。「自分の家でこの10年で変化のあったものを描いてみる」。
ぼくが描いたのは「トイレ」。
この10年で、水洗が手動から自動に変わった(もしかしたらもっと前から変わっていたかも)。

よく出る答えは、やはり「携帯電話」とのこと。
ガラケー」から「スマホ」への時代による変遷を見ていると、10年という歳月の変化を実感しやすい。
でも10年前に「スマホ」がここまで普及して、片手ひとつでいろんなことができるようになるなんて想像できただろうか?
それぐらい未来を予測することはムズカシイ。

だから大切なのは、予測のムズカシイ10年後のことを考えるよりも、自分たちが変化に対応できるようなソシキであるのかとか、変化があったときに会社のリソースをどこに注入するのかとか、そもそも自分たちがなぜ10年後のことを知りたいと思っているのかとかを考えることではないか?

そのためには「言葉をソロエル」ことが不可欠で、とはいってもあらゆる「言葉をソロエル」のは現実的にムズカシイから、自分たちにとってこの言葉だけはアヤフヤにしておいてはいけない、というものをソロエておけばよい、とのこと。

ここでWS。「意味があまり共有されていないのに、なんとなく使われているコトバを出し合おう」。
ぼくが出したのは「インクルーシブ」「サスティナブル」「デザイン」「ふりかえり」(ほかの人が出して気になったのは「リーダーシップ」)。
ちなみに、このWSでグループのイチバン人気のワードは「デザイン」だった。

 

★つぶやき
「デザイン」という言葉はよく使うし、ぼくが「デザイン」と言う場合それは「意匠」ではなく「問題解決」の意味で使っていることが多いけれど、だいたい「意匠」のほうで受け取られて、自分はそういうのにうといから、と拒否反応を示されることがある。

しかしそういう人に「デザイン」ってつまり「問題解決」なんですよ、普段あなたがそうとわからずやっていることが「デザイン的」なものかもしれませんよ、とうまく説明できるほどの蓄積はないから困っている。ぼくの当面の目標は、「デザインとは何か?」ということを人に理解してもらえるように説明できるようになることかもしれない。

ちなみに塩瀬先生は「インクルーシブ」が何かわかるまで、ずいぶん時間がかかったというようなことをおっしゃっていた。
ホンマに?と一瞬思ったけど、素直に受け取ると塩瀬先生ほどの人でもそれだけ苦労するのだから、ぼくみたいな凡人はなおさら「言葉をソロエル」ことを愚直に追求していかないといけないなと思った。

 

▼言葉を届けるには……
ピグミー系狩猟民族の言葉の紹介。
文化人類学系の研究者が置いていった文明の利器を、よくわからないながら使いこなしているらしい(だからクソ暑いのにもかかわらず、カッコイイからってマフラーを巻いている人もいる。そのキモチ、わからないでもない)

この部族では「携帯電話」のことを「コト・ン・バンベ」というらしい(書き写しマチガイの可能性大!)。
「コト・ン・バンベ」は「トカゲの皮」の意。
「携帯電話」のことをなぜ「トカゲの皮」と言い表すかというと、もともとあった糸電話的なものの糸に使われている素材が「トカゲの皮」だったからとのこと。

「テレビ」のことは「イェン・ゲイェンゲ」というらしい(「携帯電話」よりマチガイの可能性大!)。
「イェン・ゲイェンゲって何だと思いますか?」と質問されて、グループで考えて出した答えが「仏壇的なもの」。テレビからは声が出るので、ご先祖さまと話ができる「仏壇的なもので言い表そうとしたのではないか?」となった。

で、答えは「水面」。いろんなものが写り込んで見えるさまが「テレビ」のようだから、とのこと。
そう聞くとナットク。

ここで塩瀬先生の解説。

「言葉」というのは「インデックス」だから、それ単体ではその「言葉」が何を表しているかはわからない。
「言葉」には人それぞれの「体験」がぶらさがっており、その「言葉」が何を表しているか理解するためには、その「体験」を擦り合わせる必要がある。

「自分の生活世界での体験を駆使してしか言葉の意味はわからない」
「言葉を届けるには相手の体験を想起させる言葉を選ぶ」

 

★つぶやき
うまく意思疎通できないとき、コチラの言うことをなんでわかってくれないのか、この人は何を言おうとしているのか、とイライラするのではなく、普段から相手のことを観察して、この人がどんな体験からこの言葉を選んでいるのか考えてみるクセをつけよう。

2015-12-25 (後編)障害者の「働く」をデザインする @京都大学

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前回の「2015-12-25 (前編)障害者の「働く」をデザインする @京都大学」の続き。

yuu-nagashima.hatenablog.com

縫製会社の事例から再開します。


4-1)ある縫製会社の話~一般就労事例~

前編のカフェは就労支援サービスを提供している事業所の事例だったが、縫製会社の事例は一般企業が障がいの者の「働く」を可能にするために、どのようなデザインをしたかという話になる。

この会社ではいくつかの工程で障がい者が働いているが、講演ではおもに縫製工程で使うミシンのデザインを紹介してもらった。


4-2)ミシンのデザイン~モジュール化・ユニット化~

話は、ある障がい者が縫製工程に配属されたところからはじまる。
この配属は本人の希望に添ったものだったのだが、仕事になりうる質のものをミシンで縫えるようになるのはけっこうムズカシイらしい。

この工程で使っているミシンは、おそらくミシンといって大抵の人が想像する、ペダルを足でふんで駆動させ、手で布を動かして縫っていく、というものだった。たとえ障がいがなかったとしても、習熟するにはそれなりの時間を要する仕事だったので、雇用側はとても心配していたそうだ。

そしてその心配は的中してしまった。
一ケ月の研修を経てもまったくものにならずに、結局別の仕事に回ってもらうことになったのだ。

ところが、休憩時間に暴れたり、いつのまにかミシンをさわっていたり、というような問題行動が目立つようになったという。

このままでは雇用契約を打ち切られるということもありえたが、この会社では「そんなにやりたいのなら、この人でも使えるミシンをつくってあげよう」という話になったのだそうだ。

新しいミシンは以下のようなものだった。

○CADを使って型を切り出す
○ミシンのボタンを押したら、CADを使って作った型に沿ってワンショットで縫う
○パフォーマンスは以前のミシンの約2.5倍
○だれでも使用可能

このミシンのデザインには「モジュール化・ユニット化」という原理が適用されているのだという。

この「モジュール化・ユニット化」、日本では特にはっきりとした定義がなく、けっこうごっちゃに使われているようだ。

ぼくも厳密に区別できていないのでおおざっぱにいうと、モジュールもユニットもいわゆるブラックボックスで、そこにある入力が与えられると、それに見合った出力があるという機構・システムと理解してもらえればいいかもしれない。

なにが便利かというと、使用者は中身を解していなくても扱え、さらにシステムの一部として決められた機能を果たしてくれる、というところだ。

ちなみに海老田先生は、車のアクセルを踏むと走りますよね、と説明されていた。

で、なぜこの原理が適用されたというと、そこには作業分割の話が関係してくるのだ。

どういうことかというと、たとえば「取って置く」という動作の連続する作業があったとする。これを分割したら、作業が「取る」と「置く」の二つになる。

当然作業の難易度が下がるので、これをできる人も増える。障がい者の仕事を生み出すには、ベターな方法だ。

しかしこの方法は、雇用者側への配慮が欠けているのだ。

作業が分割されることによって難易度は下がって、できる人も増える。
しかしこれはいかにも仕事をやっているように見えるけど、しなくてもいい仕事を増やしている、と言えなくもない。

さらに仕事が増えれば、当然人件費も上がる。
雇用側の立場を想像すれば、とても容認できることじゃない。

で、その問題を解決するためにこの新しいミシンの例では、作業を一個一個に切り分けるのではなく、モジュール化・ユニット化することで障がい者の「働く」を可能にし、なおかつ雇用者側には生産性の向上というメリットをもたらすようにデザインしたのだ。

海老田先生はこんなふうにまとめられていた。

○「ユニット化・モジュール化」の合理性とは、雇用者への配慮と被雇用者への配慮を同時に最適化すること
○ここでの雇用者への配慮とは、作業を単純化することで無駄な作業及び人件費を増やさないという、作業効率や経済効率への配慮
○被雇用者への配慮は、本人たちのやりやすい方法で高付加価値を生み出すような作業デザイン

簡潔でわかりやすいです。

あと新しいミシンでは「モジュール化・ユニット化」と併せて「シームレス化」という原理も適用されているという話があったのだけれど、そもそもこの「シームレス化」という概念がまだよくわかっていなくてうまく説明できる自信がないので、割愛させてもらいます(海老田先生、スミマセン)。


5)デザインなき……

まとめで「作業デザイン」と「組織デザイン」の2つのデザインが「働く」を可能にしたという前置きへの、以下のような回答があった。

○「作業デザイン」は、障がい者を障害カテゴリーから雇用カテゴリーへ、障がい者の特性や抱える困難を包摂しつつ変容させる装置である
○「組織デザイン」はその雇用カテゴリー執行を維持する装置である

そして雇用カテゴリーに維持された障がい者は、もはや「障がい者」ではない。
それは企業にとって必要不可欠な「社員」なのだ、と。

最後に海老田先生は以下のようなことをおっしゃって話をしめくくられた。

○採用問題や定着問題は、マッチングやナチュラルサポートだけで解消できない
○障害者の「働く」が何によって可能になるのかという問いに対して、本報告では、デザインの水準でその方法論を記述することで回答した

講演の最初に「納得はするけど説得はされない」というコトバを聞いたときに、なんでぼくはあれほど興奮したのだろうかとあとから考えた。

そしてふとあるコトバを思い出したのだ。
それはパスカルの「力なき正義は無力であり、正義なき力は圧制である」というコトバで……

いいカッコするのはよそう。
ぼくが思い出したのは、子どものころ週刊少年ジャンプで読んでいたあるマンガのセリフである(笑)

「愛や優しさだけでは必ずしも他人を守れない時もあるのです。
正義なき力が無力であるのと同時に力なき正義もまた無力なのですよ」

このセリフに今回学んだことをあてはめてみる。

「『マッチングやナチュラルサポート』だけでは必ずしも障がい者の『働きたい』という思いを守れない時もあるのです。
マッチングやナチュラルサポートなきデザインが不十分であるのと同時に、デザインなきマッチングやナチュラルサポートもまた不十分なのですよ」

ぼくはなにもマッチングやナチュラルサポートが不必要だと思っているわけではない。
実際、縫製会社である障がい者が働けたのは、本人がそこまで言うならと、新しいミシンを導入してくれた雇用者の支援の気持ちのおかげである。相当の理解がなければできることじゃない。

かといって、マッチングやナチュラルサポートだけでは不十分なのだ。
そこに「デザイン」というものが加わったときに起こった変化を見て、障がい者の働くを可能にする道のひとつがここにはあると思った。


6)モチベーションを高める内発的動機づけ~「自律性」「有能感」「関係性」~

ここでは、この講演を聞いて以降、ある本を読んで感じたことを書こうと思う。
講演の本筋から若干外れた、とりとめのない所感みたいなものなので、飛ばしてもらってもOKです。

まずは本の紹介から。

http://urx.blue/qchZ

エドワード・L・デシという人の「人を伸ばす力―内発と自律のすすめ」。

この本によると、モチベーション理論において、動機づけには2種類あるのだという。

ひとつが「外発的動機づけ」。
もうひとつが「内発的動機づけ」。

「外発的動機づけ」はいやゆるアメとムチ式というやつで、貢献したら給料あげるよ、でも不利益を与えたら罰するよ、というやり方だ。
なんかイヤなやり方だなと思うかもしれないけど、これが有効だった時代もあったのだ(実際いまもこのやり方を採用している企業は多いと思う)。

たとえば人口が増え続け、物をつくったら売れる、という数十年前の日本のような時代。このようなルーティンな状況では、「外発的動機づけ」のほうが「内発的動機づけ」より有効なのだという。

一方の「内発的動機づけ」は、「活動それ自体に完全に没頭している心理的な状態」で、平たくいうと仕事に意味やおもしろさを見いだして、人にいわれなくてもやっている、という感じである。

何が正解かわかならい不確実性の高い、いまのような時代に有効な動機づけだと思う。

で、デシさんは「自己決定理論」というもののなかで、内発的に動機づけが起こるのは「A.自律性」「B.有能感」「C.関係性」の3つの基本的欲求が満たされたときだ、と言っているのだ。

「A.自律性」「B.有能感」「C.関係性」がどんなものかネットで調べてみた。

A.自律性
自ら行動を選び、主体的に動きたいという欲求。

B.有能感
何かを成し遂げて、周囲に影響力をもちたい、そして影響を与えて何かを得たいという欲求。そのために必要な知識・スキルを学び、成長するために行動することになる。マズロー欲求段階説における自尊的欲求に該当する。

C.関係性
他者と深く結びつき、互いに尊重し合う関係をつくりたいという欲求。マズロー欲求段階説における社会的欲求に該当する。

で、この3つの欲求が満たされると、時の流れも忘れてその行動そのものに没入し、学習が促進され、成果が出る、らしい。心理学では「フロー状態」という。コトバだけは聞いたことがあるので、いずれ関連本を読みたいと思っている。


で、前置きが長くなったけど、この3つの欲求をミシンの事例に当てはめて考えてみた。

▼以前のミシンのとき
a.自律性…○。ミシンは本人の希望だったし、仕事を外されたときも触っていたぐらいだから
b.有能感…×。うまくミシンを扱えなかったから
c.関係性…×。会社に貢献できていなくて、周囲の目もつらく感じていただろうから

新しいミシンのとき
a.自律性…○。
b.有能感…○。自分でもミシンを扱えるようになったから
c.関係性…○。会社に貢献できていると感じられるようになり、周囲の目も気にならなくなっただろうから

a、b、cはやる気を引き出す三角形を形成しており、以前のミシンを使っているときは機能不全に陥っていたが、新しいミシンを導入することでうまく連結し、ポジティブなエネルギーが循環するようになったのだと思う。

実際、なぜかはわからないが新しいミシンを導入してから問題行動がピタリとやんだ、と海老田先生がおっしゃっていた。おそらくこの循環が機能し出したのだろう。

今後デザインを考えるときは、この三角形の連結がうまくいくように、ということを意識するとよいかもしれない。

また今回の事例では「自律性」が起点となっていたと思われるが、「有能感」や「関係性」が起点となってほかの欲求も満たされることはあるのか、あるのだとすればそこにデザインがどのように介在したらよいのかという視点はもっておきたい。


7)「やってみたらうまくいきました」

縫製会社の事例に対しては、それはこの会社が古くから障がい者雇用をしてきた実績と、それを可能にする資源があったから可能だったのではないですか?という意見があった。

たしかにこの会社では30年ほど前から障がい者雇用をしており、新しいミシンの費用の一部は補助金でまかなわれたが、それでもけっこうな額の自腹を切れるだけの資金をもっているということだった。
また補助金を引っ張ってくるための資料を整えられるすぐれた人材もいるとのこと。

こんな話を聞くと、やっぱり恵まれた一部の企業だけの話じゃないか?と言いたくなる気持ちもよくわかる。

しかしそれを認めたうえで海老田先生がおっしゃったのは、この例では資源があって計画性があったからだけでうまくいったわけじゃない、ということ。

新しいミシンもミシンメーカーからたまたま営業がきて、うまくいかないかもしれないけどためしにやってみようか、なんか該当しそうな補助金ない?ある?じゃあそれでやってみよう、という感じでスタートしたのだという。

この例のように、成功しているところは「やってみたらうまくいきました」というところが多いのだそうだ。

綿密に計画して周到に資源を集めました→さあやるぞ、ではおそらくダメなのだ。

はやくやってみて、はやく失敗する。失敗したら修正してまた試してみる、というトライ&エラーのサイクルをどれだけスピーディに回せるかが大切なのだろう。

海老田先生は、この講演で「こうしたらこうなります」というゆるぎのない理論を説明しにきたわけではないと思う。「デザインの水準でその方法論を"記述"すること」で回答としたのだ。

障がい者就労は、まだまだその端緒に立ったばかりといってもいい状況だ。
そんな状況で「こうしたらこうなります」なんていうありがたい理論がそうそうできあがるわけがない。

海老田先生が提示してくださったような"記述"がいずれ、「なぜ?」という問いへの回答を"説明"できる理論に昇華される日を楽しみにしたいと思う。ぼくに役割があるとしたら、それはいずれその理論の一筋へと織り上げられるような、つまり"記述"される価値ありとみなされるような実践を続けていくことなのだろう。

最後に。

「デザイン的な発想のない組織に障がい者雇用はできない」。

自分の心のなかにしっかり刻みつけておこう。

2015-12-25 (前編)障害者の「働く」をデザインする @京都大学

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クリスマスに京都大学へ「障害者の『働く』をデザインする」という講演を聞きに行ってきた。

どこでこの講演のことを知ったのかというと、ぼくのメンター的な人が「この講演、イカンとイカンやろ!ズバリスギルやろ~!」と興奮気味に講演のことを教えてくれたのだ。

ぼくの仕事は障がい者の就労支援だ。その本分に「デザイン」というホットなワードがくっついたら、これはたしかに「イカンとイカン」。そんなわけで、どんな話が聞けるのだろうとワクワクしながら、寒さキビシイ京都へと出かけたのだった。

 

いきなり話が逸れるが、実は京都大学にはその二日前に行ったばかりだった。
「ビジネス・コミュニケーションリーダー養成講座」という連続講座の場所が京都大学だったのだ。

http://www.design.kyoto-u.ac.jp/activities/forthcoming/6733/

この講座は「ビジネスシーンや高等教育現場など、主に18歳以上をターゲットとした『学びの場』をデザイン・リードできる人材の養成」を目指して開講されている。

とても刺激的な内容なので、いずれ時間をとってぜひまとめておきたいと思っている。

 

1)「納得はするけど説得はされない」

で、ようやく本題。

以降の内容は講演中にメモしたノートや、いただいた資料をもとに書いているが、もしかしたら誤りや聞き逃しがあるかもしれない。そういう不完全なものであるという前提でまとめておく。

講演者は海老田大五朗さん。新潟青陵大学福祉心理学部で准教授をされている。
専門はコミュニケーション研究。社会福祉士精神保健福祉士の養成もされているが、ここ数年で障がい者の就労支援のことも研究するようになったとのこと。

海老田さんはある知的障害者の作業所を見学されたときに、そのスピードと正確性に驚き、すごく仕事ができるじゃないかと思ったそうだ。

ところが工賃を訊いてみると、月15,000円。

働けなくて十分なお金をもらえないならわかるけど、ちゃんと働いているのに最低賃金すらもらえないなんて、世の中おかしくないか?と思ったのだという。

ちなみに15,000円という工賃は、この作業所のような就労継続支援B型事業所では全国平均レベルである。

で、そもそも障がい者の就労支援の研究に、なんで「デザイン」が絡んでくるのかという話。

海老田さんの専門であるコミュニケーション分野に「会話分析」という技法があり、そのなかに「受け手に合わせたデザイン」というものがあるそうだ。

これは、
「会話の参加者の1人が発言をするとき、その発言は、他の参加者が個別具体的な人(たち)であるという事実への考慮と敏感さを示すような形で、組み立てられデザインされることになる」
というものである。

これだけでは難解なので海老田さんがあげてくださった例で説明すると、震災で実家が壊滅したという友人に「両親は死んでますか?」とは訊かないですよね、普通は「両親は大丈夫ですか?」と訊きますよね、ということである。いずれの質問も訊きたいことは同じであるが、相手のことを思いやって組み立てられた(=デザインされた)コトバが選ばれるということである。

次に、障がい者雇用には2つの問題があるという話。

ひとつが採用問題で、その解決策としてのマッチングの問題。
平たくいうと、障がい者の雇用を促すためには適材適所が大切です、という話。

もうひとつが定着問題で、その解決策としてのナチュラルサポートの問題。
ナチュラルサポートとは「ジョブコーチなどの『就労支援専門職者』ではない、『一般の人びとの支援』『労働外の支援』『特別扱いしない支援』」のことである。

ジョブコーチの詳細を知りたい方はコチラをご覧ください。
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/shougaishakoyou/06a.html

つまり障がい者の雇用には採用と定着というハードルがあって、それを飛び越えるには「マッチング」と「ナチュラルサポート」が必要ですよ、という話である。

で、こう説明されたあとに海老田さんがおっしゃったことに、ぼくはビビッときた。

「納得はするけど説得はされない」

そう!そうなのだ!
「マッチング」と「ナチュラルサポート」が必要条件なのはわかる。でもそれだけでは不十分なのだ。

そしてぼくはここで、この「障害者の『働く』をデザインする」という講演のシラバス的なものに記されていたことを思い出した。

「障害者は働けないのではない。
障害者が働けないように社会がデザインされているのである。
この事実を理解するのに必要なのは、慈悲の心ではない。
物事を多角的に検討できる、偏見にとらわれない思考である。」

http://www.design.kyoto-u.ac.jp/activities/forthcoming/6757/

「物事を多角的に検討できる、偏見にとらわれない思考」。
つまりこの思考を可能にするのが「デザイン」であり、その話をこれから聞けるのだろうと思うとドキドキしたのだった。


2)「働く」を可能にするデザインを記述する~「作業デザイン」と「組織デザイン」~

ここから事例に添って、どのように「働く」が可能になっていったかが記述(※)されていったのだが、前置きとして、以下の2つのデザインが「働く」を可能にした、という話があった。

ひとつが「作業デザイン」。これは作業道具とワークプレイスのデザインである。

もうひとつが「組織デザイン」。これは人材配置とワークフローのデザインである。

この2つのデザインを念頭に置いて話を聞けばいいのだな、と思いながらぼくは話の続きを待った。

※「説明」ではなく「記述」としたのには理由がある。
まずシラバス的なもので講演の内容が「本報告は、報告者自身が開発したデザインの紹介ではない。 障害者の『働く』を可能にした、野生のデザインの記述である」というふうに、あえて「記述」としていたため。
あと最近読んだ本で、「説明」と「記述」には差がある、ということがわかったから。
くわしくは、高根正昭著『創造の方法学』(講談社現代新書)のP31~52をご覧ください。
http://urx.blue/qc7d

 

3-1)あるカフェの話~福祉就労事例~

最初はあるカフェの事例だった。
このカフェは、精神障害者の就労継続支援B型と就労移行支援の多機能型とのこと。

就労継続支援B型?就労移行支援?ナニソレ?

という人もいるかと思って、就労支援サービスをわかりやすく解説してくれているサイトを探してみたのだけれど、あいにく見つからなかった。これはたぶんぼくのアンテナの質が悪いせいだと思うので、いいサイトがあったらだれか教えてくださいm(__)m

で、このカフェの一般就労の移行率(就労支援サービスを経由して一般企業に就職したパーセンテージ)を知ってビックリした。
なんと80%以上だというのだ。全国平均は15%なので、驚異的な数値である。

続いて以下のようなカフェの目的が紹介された。

○働きながら社会で自立するために必要な技術・能力を習得する機会を提供すること
○病気とつきあいながら、本人が無理せず安心して過ごせる場を提供すること
○喫茶店として地域住民、一般の方に身近に利用してもらい、地域社会の精神障害者に対する理解を深めていくこと

しっかりとした目的であるとは思うが、正直いって特段目を引くところはない。

次に内外装のデザインの紹介されたが、中古の一軒家をリフォームし、テラスや屋外でもお客さんがくつろげるようになっているとのこと。ここまではフムフムという感じだった。


3-2)二者択一的な選択をしない

話が俄然おもしろくなってきたのは、椅子やテーブルのデザインからだ。

椅子もテーブルも不揃いなのだ。一部のものは角が欠けていたり、脚が錆びたりなどしている。でも軽微な破損で、使えないというほどのものではない。

この椅子やテーブルは、捨ててあった板に修復を加えて事業所のスタッフと精神障害者である利用者とが協働して作成したり、廃校になった学校から入手したりしたものなのだという。

スタッフが作業療法士で、こういう作業を得意としていると聞いて、この作業自体を訓練プログラム化したりしているのだろうな、と思った。

しかしポイントはそれだけではなかった。

より大切なのは、

○一部の破損などがあるからといって、ただちに不要なものとは見なさず、
○空間配置のデザインや部分的な修正などの創意工夫によって、そのような古びたものや不揃いのものを、その空間全体の中で調和させ、
○ある種の欠損があったとしても、配置によって心地よい空間を生み出す資源として再活用している

ということだったのだ。

特にぼくが大切だと思ったのは「一部の破損などがあるからといって、ただちに不要なものとは見なさず」というところ。これこそまさに福祉心の真骨頂だろう。

しかしそれだけでは十分ではない。
古びたものや不揃いのものを空間全体の中で調和させるデザイン力があってこそ、その福祉心をも体現する場所をつくりあげることができたのだと思う。

またテラスの屋根のデザインでも、そのような調和を可能とするデザイン力が発揮されていた。

当初、テラスの屋根は透明のプラスティック素材で、夏になると日照によってテラス席が大変な高温になってしまうという問題があったのだそうだ。
対策として天井板を貼るというアイデアが出されたものの、せっかくの明るさや開放感が犠牲となってしまう。

どうしたものかと悩んでいたところ、「布を張るとおしゃれでよい」という助言をくれた人がいて、そのとおりにしたら以下のように問題が一気に解決したのだ。

○布を使用することで、余計な熱をこもらせてしまう紫外線をカット
○なおかつ明るさや開放感を犠牲にしない
○美的にも優れたインターフェイスを生み出す

ここでもポイントなのは、二者択一的な選択をするという福祉心にもとる解決策ではなく、トラブルを解決しつつ、美的なものを犠牲にしないという道を選択したことだ。

福祉心とデザインの幸せな融合を見せられて、ぼくはますます話に聞き入った。


3-3)地域と共生するデザイン~見えないものを見えるようにする~

小物・装飾のデザインの話。

このカフェのある地域は過疎化が進んでいるが、自然が豊かだった。
そこらへんに生えているものをブチッと抜いてきて活けるだけで、おしゃれな感じになるのだという。
ちなみにこれは、ボランティアのある女性の発案によって置かれるようになったものだそうだ。

またひざ掛けも布の色や素材の質感が考慮され、ただ置いてあるだけでも飾りとなり、かつひざ掛け本来の機能としても発揮する製品を選んでいるとのこと。

そしてレシピの話。

カフェと訊いたとき真っ先に思い浮かんだのが、レシピはどうしたんだろうか?ということだった。
というのは、福祉サービスを提供する事業所のスタッフは就労支援の専門職者であって、飲食業やカフェ運営の専門家ではないので、自分たちだけではたいしたものをお客さんに提供できないのは明白だからだ。

この問題を解決するためにこのカフェでは、実際に飲食業者として働いていたがすでにリタイアしている地域のボランティアからレシピを提供してもらっているとのことだった。

これは「より良い商品を提供できる」「商品開発のための経費を抑えることができる」といった、商品と金銭の直接交換に関わるものだけではないと海老田先生はおっしゃった。

どういうことかというと、商品開発を支援したボランティアが、友人や知人などを伴って、カフェにお客さんとして来店するのだという。作ったのなら食べてもらいたいと思うのが人情というものだ。

また質の高いレシピ(+空間デザインのよさ)でお客さんが増えることは、精神障害者とお客さんの接点が増えることを意味する。

さらにぼくが感心したのはその値段設定だ。安くなりすぎないようにしているのだ。

これはどういうことかというと、カフェの運営主体はNPO法人であり、必要以上の儲けを出してはいけないので、材料の仕入れ値+α程度に設定することも可能なのだが、あえてしていないということだ。
では何を基準に設定しているかというと、「地域の同業他店に迷惑をかからないように」設定しているのである。

 

少し話がそれるが、ここで「サービス」とは何か?という話をしたい(福祉サービスの話ではなくて、商品・サービスの「サービス」の話です)。

UXのセミナーを受けたときに学んだのだが、「サービス」は本質的な課題として目に見えないのだという。

ところでスターバックスコーヒーは何を売っているかご存じだろうか?

これはけっこう有名になってしまって、いまさらという話なのだが、スターバックスコーヒーはコーヒーを売っているのではない。サードプレイスを売っているのだ。

サードプレイスとは、ファーストプレイスを家、セカンドプレイスを職場(学校)とした場合に、その二つの中間地点の場所のことである。スターバックスコーヒーは、家でも職場(学校)でもない、お客さんが居心地のよさを感じて自由に過ごすことができる空間を提供しているのだ。

そのために心地よいBGMが流れ、テーブルや壁などのインテリアは万人に受け入れられるデザインとなっており、Wi-Fiや電源が無料で使えてPC作業などができるようになっている。

お客さんが居心地のよさを感じて自由に過ごす、というサービスは目に見えないが、たとえばWi-Fiや電源を備えることでそのサービスが見えるようにしているのである。
このように見えないもの(インタンジブル)を見えるようにする(タンジブル)というのが、今後のビジネスにおいて大切になってくるという話。

 

で、本筋に戻ると、このカフェも目に見えない何かを、見えるようにデザインしているんじゃないかとぼくは思ったのだ。

では目に見えない何を、すぐれた空間デザインやリタイアしたボランティアの開発したレシピ、その値段設定などで見えるようにしているのだろうか?

それは、この場所は障害のある人もない人も地域で共生していく社会を目指します、というメッセージなのだと思う。おそらく。

余談だが、このカフェはあえて就労支援をしている場所であるということをうたっていないという。これは個人的な意見なのだが、就労支援をしているところは商品やサービスを提供するときに、そこに障がい者がかかわっていることを前面に押し出す必要はないと思っている。

なんというかそれは、デザイン的にあまりスマートとはいえないと思うのだ。
でもこれはムズカシイ問題なので、あくまで理想、しかしできれば前面に押し出さなくても自然と受け入れられるようにデザインされた商品やサービスを提供できるようになれればなあと思う。

 

3-4)スキマ実習先

就労支援の悩ましい問題のひとつに、実習協力先の確保がある。
就労の訓練だけでは十分ではないので企業に実習をお願いするのだが、これを増やすのが容易ではない。

では、このカフェではどうしているのかというと、地域の活性化事業にスタッフや当事者が参加しているのだそうだ。駅前の清掃や花壇の手入れをしたり、イベントでカフェを出店したりしているのだという。

そして出店したときは収益は二の次で、地域の商店との関係づくりを目的にしているのだ。
そこで何をしているのかというと、店舗の人的資源にかんするニーズ、たとえば繁忙期はいつで、どの時期は人手がほしいかなどを聞き出して「うちの利用者を実習生として使ってみませんか」と提案するのだという。

イベントで働いている利用者の姿を見れば、ちょっとした配慮があれば十分働くことは可能であると理解してもらえるし、繁忙期だけの実習なので受入側の負担も少ないというわけだ。

そんなちょっとした実習先を確保するのに注力するのは、こちらの負荷とつりあわないと思った人はちょっと待ってほしい。このカフェは過疎化が進んだ地域で、実習協力先を確保するのがあなたの暮らす地域よりも困難かもしれない。そんな地域だからこそ、スキマのような実習先も貴重なのだ。

この話から学ぶべきことは、実習協力先はこんな感じの企業がふさわしくて、しかるべきやり方やルートを通してしか確保できない、といういつのまにか形成された常識を疑ってみるということではないだろうか?

 

3-5)「美は大事だと思うんですよね」

講演の終わりに、このカフェのことでぼくはこんな感じの質問をした。

「このカフェがすぐれたデザインを実践していることはよくわかりました。でもこのようなデザインを可能にするには、運営側にどのような素養が必要なのでしょうか?」

すると海老田先生は「美を解する感性でしょうか」というような返答をされた。
実際このカフェの代表責任者は、「美」の最先端を表現する人たちと親交があるそうだ。

これを聞いてぼくは無性にウレシクなってしまった。「だよなだよな」と思った。

ぼくはその「美」という答えが具体的にどういうことなのかまだうまく言語化できないのだけれど、後日その答えがまちがっていない、と思えるようなものを目撃した。

この日の講演のことである人が某SNSで、「気になったワードは『美』」という投稿をされていて、そこにいろんな人からのコメントが寄せられていたのだ。その一部を抜粋させてもらいます。

 

「『キレイ』ってことか?というと、チガウ!!」

「誤解を恐れないで言えば、何よりも美を最優先するのがデザイナーの役割だと思う」

「『美』にこだわりがないとイライラする。すくなくともベクトルが『広義での美』に真摯でないとね」
「デザインにおける美の重要性は興味がありますね。美的感覚の源の一つに、最適にデザインされたものを覚的に選び取る能力があるとしたら、『作業のデザイン』『組織のデザイン』といったものにも美を感じることができるでしょうね。方程式や物理法則に美を感じる人もいますし。美を感じないものにはどこかデザインの最適化の余地があるのかも」

「『美』というものは、おそらく、瞬時にわかります。おおげさにいえば、イノチは、『美』に対するセンサーを持っているのでは、と思います」

「美を感じるのは心というか脳かなって思ってる。引っかかって入ってこないものは最初はいいと思っていても陳腐化したりするような」

「イキモノをいきながらえさせる根本的なシステムに組み込まれているのでは?と感じています。」

 

いやあ、スゴイ!ムズカシイけど、ドキドキする!
ぼくもこれぐらい言語化できるようになりたいなあ。

ちょっと長くなってしまったので、ここでいったん切ります。次はある縫製会社の事例から。

yuu-nagashima.hatenablog.com

2015年の読書データ

2015年の読書データをまとめてみる。
読んだ本の数:175冊
読んだページ数:46615ページ

ちなみに2014年はこうだった。
読んだ本の数:214冊
読んだページ数:59836ページ

全体として40冊減ってて、小説の割合も下がっている。
その分ビジネス書というか、フィクション以外に興味のあることの本の量が増えてて、幅も広がってる感じ。

戦略がすべて (新潮新書)戦略がすべて (新潮新書)
読了日:12月31日 著者:瀧本哲史
「学び」の構造「学び」の構造感想
本を読んだり、講演を聞いたり、ワークショップに参加したりすることが「=学ぶ」になるのだろうか?「学び」は「おぼえる」ことと「わかる」ことに分解でき、もちろんより大切なのは「わかる」ことのほうだ。そしてこの本では「わかる」とは「わからないところがわかり」「絶えざる問いかけを行い」「無関係であったもの同士が関連づいていき」「死にいたるまでわかりつづけていく」ことである、とする。個々の「学び」の機会に、その内容や意味を「おぼえる」ことに留まるのではなく、そこに存在する「学び」の構造を探っていこうと思う。
読了日:12月30日 著者:佐伯胖
完全版 社会人大学人見知り学部 卒業見込 (角川文庫)完全版 社会人大学人見知り学部 卒業見込 (角川文庫)感想
M-1グランプリ」でブレイクを果たし、遅ればせながら「社会」というものを発見したオードリー若林。その自意識と社会とのわりとひとり相撲的な奮闘記。「ぼくの場合は我見からスタートして結局通念に着地する。で、全部ぼくの間違いでした、と反省する。そんなことがぼくの人生にはすごく多いのだ。」。そうそう、自分も多い。なんて身悶えしながら読んだ。なんだ、ぼくもまだまだ「社会人大学人見知り学部」に在学中じゃないか。
読了日:12月27日 著者:若林正恭
やってのける ~意志力を使わずに自分を動かす~やってのける ~意志力を使わずに自分を動かす~
読了日:12月25日 著者:ハイディ・グラント・ハルバーソン
マンガでやさしくわかるU理論マンガでやさしくわかるU理論
読了日:12月23日 著者:中土井僚
そもそも「論理的に考える」って何から始めればいいの?そもそも「論理的に考える」って何から始めればいいの?
読了日:12月22日 著者:深沢真太郎
人を伸ばす力―内発と自律のすすめ人を伸ばす力―内発と自律のすすめ感想
ダニエル・ピンク『モチベーション3.0』で言及されている、アメとムチ式の外発的動機付け(統制)と異なる内発的動機付けの3つの要素「自律性」「熟達」「目的」のうち、「自律性」をいかに育むかをテーマにした一冊。最も効果的な動機づけを引き出す問いの立て方を「他者をどのように動機づけるか」ではなく「どのようにすれば他者が自らを動機づける条件を生み出せるか」としているところに感銘を受けた。周囲のやる気を引き出す以前に、自分がどれだけ「統制」されていたかを知れた。すぐれたカウンセリングにもなっている一冊。超おススメ。
読了日:12月20日 著者:エドワード・L.デシ,リチャードフラスト
究極の鍛錬究極の鍛錬
読了日:12月19日 著者:ジョフ・コルヴァン
達人のサイエンス―真の自己成長のために達人のサイエンス―真の自己成長のために
読了日:12月18日 著者:ジョージレナード
七つの大罪(18) (講談社コミックス)七つの大罪(18) (講談社コミックス)
読了日:12月18日 著者:鈴木央
ジョジョリオン 11 (ジャンプコミックス)ジョジョリオン 11 (ジャンプコミックス)
読了日:12月18日 著者:荒木飛呂彦
「やればできる!」の研究―能力を開花させるマインドセットの力「やればできる!」の研究―能力を開花させるマインドセットの力
読了日:12月16日 著者:キャロルS.ドゥエック
モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか (講談社+α文庫)モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか (講談社+α文庫)
読了日:12月15日 著者:ダニエル・ピンク
後世への最大遺物・デンマルク国の話 (岩波文庫)後世への最大遺物・デンマルク国の話 (岩波文庫)
読了日:12月10日 著者:内村鑑三
進撃の巨人(18) (講談社コミックス)進撃の巨人(18) (講談社コミックス)
読了日:12月9日 著者:諫山創
木曜日のフルット(5)(少年チャンピオン・コミックス)木曜日のフルット(5)(少年チャンピオン・コミックス)
読了日:12月9日 著者:石黒正数
ロボットとは何か――人の心を映す鏡  (講談社現代新書)ロボットとは何か――人の心を映す鏡 (講談社現代新書)
読了日:12月8日 著者:石黒浩
ことばと文化 (岩波新書)ことばと文化 (岩波新書)
読了日:12月6日 著者:鈴木孝夫
中2の男子と第6感(2) (ヤンマガKCスペシャル)中2の男子と第6感(2) (ヤンマガKCスペシャル)
読了日:12月6日 著者:福満しげゆき
ふるさとを元気にする仕事 (ちくまプリマー新書)ふるさとを元気にする仕事 (ちくまプリマー新書)
読了日:12月5日 著者:山崎亮
中間管理録トネガワ(1) (ヤンマガKCスペシャル)中間管理録トネガワ(1) (ヤンマガKCスペシャル)
読了日:12月4日 著者:福本伸行,橋本智広,三好智樹
未来の働き方を考えよう 人生はニ回、生きられる (文春文庫)未来の働き方を考えよう 人生はニ回、生きられる (文春文庫)
読了日:12月4日 著者:ちきりん
対話のレッスン 日本人のためのコミュニケーション術 (講談社学術文庫)対話のレッスン 日本人のためのコミュニケーション術 (講談社学術文庫)
読了日:12月2日 著者:平田オリザ
「すみません」の国 (日経プレミアシリーズ) (日経プレミアシリーズ 157)「すみません」の国 (日経プレミアシリーズ) (日経プレミアシリーズ 157)
読了日:11月30日 著者:榎本博明
演技と演出 (講談社現代新書)演技と演出 (講談社現代新書)
読了日:11月29日 著者:平田オリザ
演劇入門 (講談社現代新書)演劇入門 (講談社現代新書)感想
平田オリザさんの講座を受けたその帰り道に、続編的な位置づけの『演技と演出』とあわせて購入。この本と『演技と演出』は演劇を題材にしているが、「イメージを共有する」「コンテクストを擦り合わせる」などという章があり、すぐれたコミュニケーション論にもなっている。オリザさんはそのものズバリ「コミュニケーション能力とは何か」を述べた『わかりあえないことから』で、コミュニケーション能力を人格の問題に結びつけることに異議を唱えているが、その異議が受け入れられる社会が実現すればなあと、人見知りのぼくは思うのだった。
読了日:11月29日 著者:平田オリザ
よつばと! (13) (電撃コミックス)よつばと! (13) (電撃コミックス)
読了日:11月27日 著者:あずまきよひこ
ノックス・マシン (角川文庫)ノックス・マシン (角川文庫)
読了日:11月26日 著者:法月綸太郎
モーム短篇選〈下〉 (岩波文庫)モーム短篇選〈下〉 (岩波文庫)
読了日:11月21日 著者:サマセット・モーム
モーム短篇選〈上〉 (岩波文庫)モーム短篇選〈上〉 (岩波文庫)
読了日:11月21日 著者:モーム
GIANT KILLING(37) (モーニング KC)GIANT KILLING(37) (モーニング KC)
読了日:11月20日 著者:ツジトモ
ヨハネスブルグの天使たち (ハヤカワ文庫JA)ヨハネスブルグの天使たち (ハヤカワ文庫JA)
読了日:11月15日 著者:宮内悠介
誘拐 (ちくま文庫)誘拐 (ちくま文庫)
読了日:11月8日 著者:本田靖春
大人の発達障害 アスペルガー症候群、AD/HD、自閉症が楽になる本 (集英社文庫)大人の発達障害 アスペルガー症候群、AD/HD、自閉症が楽になる本 (集英社文庫)
読了日:11月7日 著者:備瀬哲弘
ピカデリーの殺人 (創元推理文庫)ピカデリーの殺人 (創元推理文庫)
読了日:11月3日 著者:アントニー・バークリー
はじめての社内起業 「考え方・動き方・通し方」実践ノウハウはじめての社内起業 「考え方・動き方・通し方」実践ノウハウ
読了日:11月2日 著者:石川明
宇宙の戦士〔新訳版〕(ハヤカワ文庫SF)宇宙の戦士〔新訳版〕(ハヤカワ文庫SF)
読了日:11月1日 著者:ロバート・Aハインライン
世界一わかりやすい在庫削減の授業世界一わかりやすい在庫削減の授業感想
適正な在庫管理の方法がストーリー仕立てで学べる本。「在庫削減」が至急命題でなくても読んでおいて損はないですよ。「なぜ在庫は増えるのか?」「余分な在庫が、どんな問題を引き起こすのか?」「どのように“適正な在庫”の数を維持すればいいか?」「在庫はどうやったら減らせるのか?」こういうこと知りたくありませんか?在庫管理の本というと製造業向けが多く、敷居が高く感じていた人に配慮して、この本ではたとえば「仕入れ」や「発注」などの用語も使用せずにやさしいことばに統一しています。舞台を流通の会社にしてる点もgoodです。
読了日:10月29日 著者:若井吉樹
トヨタで学んだ「紙1枚! 」にまとめる技術トヨタで学んだ「紙1枚! 」にまとめる技術
読了日:10月26日 著者:浅田すぐる
黄色い部屋の秘密〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)黄色い部屋の秘密〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
読了日:10月25日 著者:ガストン・ルルー
バビロン 1 ―女― (講談社タイガ)バビロン 1 ―女― (講談社タイガ)
読了日:10月24日 著者:野崎まど
本当の仏教を学ぶ一日講座 ゴータマは、いかにしてブッダとなったのか (NHK出版新書 399)本当の仏教を学ぶ一日講座 ゴータマは、いかにしてブッダとなったのか (NHK出版新書 399)感想
最近マインドフルネスに関心があるという話をある人にしたら、偶然その人が釈迦ファンで、その人曰く「彼は法と仕組みを残した。仏教の始まりはむしろ哲学であり、学びの仕組みだった」「すんごく頭がよくて、合理的で、しかもとっても優しい」「彼が弟子たちに教えたのは悟りにいたる方法、ただそれだけ。自分がいなくなったあとは法に従えといった」「お弟子さんたちはお師匠はんがダイスキだったので神格化されていったけど、彼はむしろ革新的なベンチャー創業者かも。その組織の理念、ミッションが普遍的に美しく、優しかった。だから残った」
読了日:10月24日 著者:佐々木閑
さよならアリアドネ (ハヤカワ文庫JA)さよならアリアドネ (ハヤカワ文庫JA)感想
「結婚したらパートナーに絶対読んで欲しいタイムトラベルものNo.1」という帯が秀逸。嫁さんを海外旅行に送り出したアニメーターの主人公に、未来からきた中年女性「アリアドネ邦子」が15年後に訪れる破局を告げる。15年後の8月23日を72回繰り返せば最悪の将来から逃れる方法が見つかると邦子はいうが……。おもしろかったのは、主人公の行動が導き手である邦子の人生にも影響を及ぼすこと。人生をやり直す人を目の前にしてうらやましくならない人なんていないよね。あと嫁さんが夜中に米を研いだら要注意ということ、おぼえておこう。
読了日:10月23日 著者:宮地昌幸
詩羽のいる街 (角川文庫)詩羽のいる街 (角川文庫)
読了日:10月17日 著者:山本弘
七つの大罪(17) (講談社コミックス)七つの大罪(17) (講談社コミックス)
読了日:10月17日 著者:鈴木央
問題解決に効く「行為のデザイン」思考法問題解決に効く「行為のデザイン」思考法
読了日:10月14日 著者:村田智明
数学女子 智香が教える 仕事で数字を使うって、こういうことです。数学女子 智香が教える 仕事で数字を使うって、こういうことです。
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マイボーイ(3) (アフタヌーンKC)マイボーイ(3) (アフタヌーンKC)
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フリーランチの時代 (ハヤカワ文庫JA)フリーランチの時代 (ハヤカワ文庫JA)
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野獣死すべし (ハヤカワ・ミステリ文庫 17-1)野獣死すべし (ハヤカワ・ミステリ文庫 17-1)
読了日:10月12日 著者:ニコラス・ブレイク
~1日10分で自分を浄化する方法~マインドフルネス瞑想入門~1日10分で自分を浄化する方法~マインドフルネス瞑想入門
読了日:10月8日 著者:吉田昌生
常識はずれの増客術 (講談社+α新書)常識はずれの増客術 (講談社+α新書)
読了日:10月7日 著者:中村元
グーグルのマインドフルネス革命―グーグル社員5万人の「10人に1人」が実践する最先端のプラクティス(付録:マインドフルネス実践ガイドCD)グーグルのマインドフルネス革命―グーグル社員5万人の「10人に1人」が実践する最先端のプラクティス(付録:マインドフルネス実践ガイドCD)
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一人から始めるユーザーエクスペリエンス一人から始めるユーザーエクスペリエンス
読了日:10月5日 著者:
0ベース思考---どんな難問もシンプルに解決できる0ベース思考---どんな難問もシンプルに解決できる
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ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代
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21世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由21世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由
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ブラックアウト(下) (ハヤカワ文庫SF)ブラックアウト(下) (ハヤカワ文庫SF)
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売り上げがドカンとあがるキャッチコピーの作り方 増補改訂版 (日経ビジネス人文庫)売り上げがドカンとあがるキャッチコピーの作り方 増補改訂版 (日経ビジネス人文庫)
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七つの大罪(16) (講談社コミックス)七つの大罪(16) (講談社コミックス)
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繁盛店が必ずやっているPOP最強のルール繁盛店が必ずやっているPOP最強のルール
読了日:8月13日 著者:沼澤拓也
あなたの会社にイノベーションを起こす 新事業開発スタートブックあなたの会社にイノベーションを起こす 新事業開発スタートブック
読了日:8月9日 著者:河瀬誠
図解 99% の人がしていないたった 1% の仕事のコツ図解 99% の人がしていないたった 1% の仕事のコツ
読了日:8月8日 著者:河野英太郎
横井軍平ゲーム館: 「世界の任天堂」を築いた発想力 (ちくま文庫)横井軍平ゲーム館: 「世界の任天堂」を築いた発想力 (ちくま文庫)
読了日:8月7日 著者:横井軍平,牧野武文
進撃の巨人(17) (講談社コミックス)進撃の巨人(17) (講談社コミックス)
読了日:8月7日 著者:諫山創
中途の家 (角川文庫)中途の家 (角川文庫)
読了日:8月2日 著者:エラリー・クイーン
バーナード嬢曰く。 2 (IDコミックス REXコミックス)バーナード嬢曰く。 2 (IDコミックス REXコミックス)感想
祝二巻刊行。一巻で完結とアナウンスされていたが、これを読書好きという業を背負った厄介な人たちの愛の賜物といわずしてなんという。一巻はあるあるネタの印象が強かったが、二巻ではそれだけにとどまらず、ネタがより深化している。いまや記憶している人も少ない『KAGEROU』の本質を、これほどまでにえぐりだした評論はほかにはないだろう。刊行当時にこれぐらい真剣に向き合う人がいれば、ひょっとしたら彼はいまも小説を世に問うていたかもしれない。あと、まいふぇいばりっとツンデレ・神林しおりのいじらしさにもだえしぬかと思った。
読了日:7月27日 著者:施川ユウキ
マーケット感覚を身につけよう---「これから何が売れるのか?」わかる人になる5つの方法マーケット感覚を身につけよう---「これから何が売れるのか?」わかる人になる5つの方法
読了日:7月22日 著者:ちきりん
里山を創生する「デザイン的思考」里山を創生する「デザイン的思考」
読了日:7月20日 著者:岩佐十良
人口18万の街がなぜ美食世界一になれたのか―― スペイン サン・セバスチャンの奇跡(祥伝社新書284)人口18万の街がなぜ美食世界一になれたのか―― スペイン サン・セバスチャンの奇跡(祥伝社新書284)
読了日:7月19日 著者:高城剛
ジョジョリオン 10 (ジャンプコミックス)ジョジョリオン 10 (ジャンプコミックス)
読了日:7月19日 著者:荒木飛呂彦
神様ゲーム (講談社文庫)神様ゲーム (講談社文庫)
読了日:7月18日 著者:麻耶雄嵩
「学力」の経済学「学力」の経済学感想
ある諮問会議で教育再生が議論に上った途端、専門外の大臣などが自身の経験談をもとに主観的な持論を展開することがあるが、財政政策や経済政策について専門外の大臣が「私の経験から」と発言する場面はみられない。そんなことをいえば「その根拠は何か」と問われるに決まっているからだという指摘に目からウロコ。「少人数学級」は費用対効果が低く「子どもの生涯収入」と併せてみるとむしろロスの方が大きいなど、こういうエビデンスをないがしろにしない研究成果が次々と繰り出され、分量はそれほどでもないのに、おそろしく満足度が高い一冊。
読了日:7月11日 著者:中室牧子
怨讐星域Ⅲ 約束の地 (ハヤカワ文庫 JA カ 2-16)怨讐星域Ⅲ 約束の地 (ハヤカワ文庫 JA カ 2-16)
読了日:7月6日 著者:梶尾真治
怨讐星域Ⅱ ニューエデン (ハヤカワ文庫JA)怨讐星域Ⅱ ニューエデン (ハヤカワ文庫JA)
読了日:6月27日 著者:梶尾真治
安心社会から信頼社会へ―日本型システムの行方 (中公新書)安心社会から信頼社会へ―日本型システムの行方 (中公新書)
読了日:6月25日 著者:山岸俊男
月刊MdN 2015年 7月号(特集:絶対フォント感を身につける/付録小冊子 フォント見本帳)月刊MdN 2015年 7月号(特集:絶対フォント感を身につける/付録小冊子 フォント見本帳)
読了日:6月24日 著者:
北斗の拳 イチゴ味 4 (ゼノンコミックス)北斗の拳 イチゴ味 4 (ゼノンコミックス)
読了日:6月22日 著者:行徒妹,河田雄志,原哲夫
書くインタビュー 2 (小学館文庫)書くインタビュー 2 (小学館文庫)
読了日:6月17日 著者:佐藤正午,東根ユミ
七つの大罪(15) (講談社コミックス)七つの大罪(15) (講談社コミックス)
読了日:6月17日 著者:鈴木央
書くインタビュー 1 (小学館文庫)書くインタビュー 1 (小学館文庫)
読了日:6月16日 著者:佐藤正午,伊藤ことこ,東根ユミ
怨讐星域Ⅰ ノアズ・アーク (ハヤカワ文庫JA)怨讐星域Ⅰ ノアズ・アーク (ハヤカワ文庫JA)
読了日:6月14日 著者:梶尾真治
【新装版】宵待草夜情 (ハルキ文庫 れ 1-10)【新装版】宵待草夜情 (ハルキ文庫 れ 1-10)
読了日:6月10日 著者:連城三紀彦
昆虫はすごい (光文社新書)昆虫はすごい (光文社新書)
読了日:6月6日 著者:丸山宗利
喧嘩稼業(4) (ヤンマガKCスペシャル)喧嘩稼業(4) (ヤンマガKCスペシャル)
読了日:6月5日 著者:木多康昭
しらみつぶしの時計 (祥伝社文庫)しらみつぶしの時計 (祥伝社文庫)
読了日:6月4日 著者:法月綸太郎
移行期的混乱―経済成長神話の終わり (ちくま文庫)移行期的混乱―経済成長神話の終わり (ちくま文庫)
読了日:6月2日 著者:平川克美
嵐のピクニック (講談社文庫)嵐のピクニック (講談社文庫)
読了日:6月1日 著者:本谷有希子
それでも町は廻っている 14巻 (ヤングキングコミックス)それでも町は廻っている 14巻 (ヤングキングコミックス)
読了日:5月31日 著者:石黒正数
うちの妻ってどうでしょう?(7) (アクションコミックス)うちの妻ってどうでしょう?(7) (アクションコミックス)
読了日:5月29日 著者:福満しげゆき
自閉症の僕が跳びはねる理由―会話のできない中学生がつづる内なる心自閉症の僕が跳びはねる理由―会話のできない中学生がつづる内なる心
読了日:5月28日 著者:東田直樹
奈良の小さな会社が表参道ヒルズに店を出すまでの道のり奈良の小さな会社が表参道ヒルズに店を出すまでの道のり
読了日:5月27日 著者:中川淳
波よ聞いてくれ(1) (アフタヌーンKC)波よ聞いてくれ(1) (アフタヌーンKC)
読了日:5月22日 著者:沙村広明
ベアゲルター(2) (シリウスKC)ベアゲルター(2) (シリウスKC)
読了日:5月22日 著者:沙村広明
呪縛の家 新装版 (光文社文庫)呪縛の家 新装版 (光文社文庫)
読了日:5月20日 著者:高木彬光
稼ぐまちが地方を変える―誰も言わなかった10の鉄則 (NHK出版新書 460)稼ぐまちが地方を変える―誰も言わなかった10の鉄則 (NHK出版新書 460)
読了日:5月15日 著者:木下斉
ヒトラーのウィーン (ちくま文庫)ヒトラーのウィーン (ちくま文庫)
読了日:5月12日 著者:中島義道
メルカトルと美袋のための殺人 (集英社文庫)メルカトルと美袋のための殺人 (集英社文庫)
読了日:5月10日 著者:麻耶雄嵩
自分の仕事をつくる (ちくま文庫)自分の仕事をつくる (ちくま文庫)
読了日:5月9日 著者:西村佳哲
スペイン岬の秘密 (角川文庫)スペイン岬の秘密 (角川文庫)
読了日:5月7日 著者:エラリー・クイーン
自分をいかして生きる (ちくま文庫)自分をいかして生きる (ちくま文庫)感想
この本は、こんな人に向けて書かれた長い手紙のようなものです。人生にはオンとオフが必要だと思っている人。活躍している人の姿を見てその例外性に注目し、自分とその人の間に線を引く人。働くことの中に〈生〉の充実を求めるべきじゃない、そんなのは理想論だと思っている人。「どんな○○になりたい」とは言わずに「○○になりたい」と言う人。創造性とは仕事の内容に関するものだと思っている人。自分には好きといえるほどのことがない、と悩んでいる人。「働くことは喜びである」といった言い切りに同意しきれない人。
読了日:5月6日 著者:西村佳哲
マイボーイ(2) (アフタヌーンKC)マイボーイ(2) (アフタヌーンKC)
読了日:5月6日 著者:木村紺
紙の動物園 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)紙の動物園 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)
読了日:5月5日 著者:ケン・リュウ
ジャッカルの日 (角川文庫)ジャッカルの日 (角川文庫)
読了日:5月3日 著者:フレデリック・フォーサイス
ファイト・クラブ〔新版〕 (ハヤカワ文庫NV)ファイト・クラブ〔新版〕 (ハヤカワ文庫NV)
読了日:5月2日 著者:チャック・パラニューク
杏のふむふむ (ちくま文庫)杏のふむふむ (ちくま文庫)
読了日:5月2日 著者:
ずっとお城で暮らしてる (創元推理文庫)ずっとお城で暮らしてる (創元推理文庫)
読了日:4月29日 著者:シャーリィジャクスン
ぼくのともだち (白水Uブックス 184 海外小説の誘惑)ぼくのともだち (白水Uブックス 184 海外小説の誘惑)
読了日:4月26日 著者:エマニュエルボーヴ
GIANT KILLING(35) (モーニング KC)GIANT KILLING(35) (モーニング KC)
読了日:4月24日 著者:ツジトモ
機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト (9) (カドカワコミックス・エース)機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト (9) (カドカワコミックス・エース)
読了日:4月24日 著者:
死者の代弁者[新訳版](下) (ハヤカワ文庫SF)死者の代弁者[新訳版](下) (ハヤカワ文庫SF)
読了日:4月18日 著者:オースン・スコット・カード
七つの大罪(14) (講談社コミックス)七つの大罪(14) (講談社コミックス)
読了日:4月17日 著者:鈴木央
死者の代弁者[新訳版](上) (ハヤカワ文庫SF)死者の代弁者[新訳版](上) (ハヤカワ文庫SF)
読了日:4月13日 著者:オースン・スコット・カード
進撃の巨人(16) (講談社コミックス)進撃の巨人(16) (講談社コミックス)
読了日:4月9日 著者:諫山創
中2の男子と第6感(1) (ヤンマガKCスペシャル)中2の男子と第6感(1) (ヤンマガKCスペシャル)
読了日:4月8日 著者:福満しげゆき
災厄の町〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)災厄の町〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)感想
再読。内容はすっかり忘れていた。ただ人間関係の機微が焦点で、純粋論理を追求した初期の国名シリーズやドルリー・レーン四部作(特に『Yの悲劇』『Xの悲劇』)に比べて地味だなあと感じ、あまり評価できなかったことをおぼえている。しかし再読してみて印象がすっかり変わった。論理性やトリックを追求しなくても推理小説はおもしろくできるということをあらためて感じた。推理小説に人間関係の機微なんて求めないよ、という声があるのも理解できるが、こういう作品が生み出されたことがミステリという土壌を豊かにしているんだと思う。
読了日:4月7日 著者:エラリイ・クイーン
ぼくらは都市を愛していた (朝日文庫)ぼくらは都市を愛していた (朝日文庫)
読了日:4月5日 著者:神林長平
犯罪 (創元推理文庫)犯罪 (創元推理文庫)
読了日:4月5日 著者:フェルディナント・フォン・シーラッハ
判決破棄 リンカーン弁護士(下) (講談社文庫)判決破棄 リンカーン弁護士(下) (講談社文庫)
読了日:4月5日 著者:マイクル・コナリー
判決破棄 リンカーン弁護士(上) (講談社文庫)判決破棄 リンカーン弁護士(上) (講談社文庫)
読了日:4月4日 著者:マイクル・コナリー
文庫 戦争プロパガンダ10の法則 (草思社文庫)文庫 戦争プロパガンダ10の法則 (草思社文庫)
読了日:3月28日 著者:アンヌモレリ
密室殺人ゲーム・マニアックス (講談社文庫)密室殺人ゲーム・マニアックス (講談社文庫)
読了日:3月21日 著者:歌野晶午
できることをしよう。: ぼくらが震災後に考えたこと (新潮文庫)できることをしよう。: ぼくらが震災後に考えたこと (新潮文庫)
読了日:3月21日 著者:糸井重里,ほぼ日刊イトイ新聞
犯罪ホロスコープII 三人の女神の問題 (光文社文庫)犯罪ホロスコープII 三人の女神の問題 (光文社文庫)
読了日:3月15日 著者:法月綸太郎
螢 (幻冬舎文庫)螢 (幻冬舎文庫)感想
ヤ、ヤラレタ。トリックだけ見たら、某超売れっ子作家のそれほど評価されていない作品のトリックと古典的な○○トリックの変形の組み合わせにすぎないのに。読んでるあいだ違和感がありまくりだったのだが、その正体がつかめず、作者の思惑どおり幻惑されてしまった。ミステリを読んで気持ちよく騙されることに快感をおぼえるM気質な人にオススメ。メッチャイジワルダヨ、麻耶雄嵩
読了日:3月8日 著者:麻耶雄嵩
知ろうとすること。 (新潮文庫)知ろうとすること。 (新潮文庫)感想
印象的だったのは、子どもの放射線量を測定できるホールボディカウンターの話。「科学的には必要のない道具」とわかっていながら早野氏は、お母さんが赤ちゃんを4トンもの鉄のごつい箱であるカウンターに入れたくないだろうと想像し、プロジェクトにデザイナーを参画させる。そしてそのカウンターをただの測定器ではなく、コミュニケーションツールと位置づけ、「放射線の影響をとても心配しているお母さんたち」の話を聞き、理解し、不安を解消していったのだ。こういうことに気づける学者がいま日本にいることを誇りに思う。
読了日:3月7日 著者:早野龍五,糸井重里
チャイナ蜜柑の秘密 (角川文庫)チャイナ蜜柑の秘密 (角川文庫)感想
なんてチェスタトン!殺人現場がすべて逆向きになっていた理由はピンとこないし、○○トリックもコナンくんかよ!とツッコマざるをえないものだったが、犯人特定のロジックはクイーンらしさにあふれていて、やっぱり読んでよかった。国名シリーズに外れなし!
読了日:3月2日 著者:エラリー・クイーン
想像ラジオ (河出文庫)想像ラジオ (河出文庫)感想
「あなたは感受性だけ強くて、想像力が足りない人なのかな?」「それ、最悪だね」。たぶんこのやりとりは一生忘れない。
読了日:3月1日 著者:いとうせいこう
機動戦士ガンダム THE ORIGIN (24) 特別編 (角川コミックス・エース 80-39)機動戦士ガンダム THE ORIGIN (24) 特別編 (角川コミックス・エース 80-39)
読了日:2月28日 著者:安彦良和
ワークショップ入門 (日経文庫)ワークショップ入門 (日経文庫)感想
WSを実施するのに必要不可欠な知識がコンパクトにまとまっている。WSの応用分野や三つのスキル(チーム・プログラム・ファシリテーションのデザインスキル)、そしてそのマインドが紹介されており、この本があれば第一歩をふみだせそうだ。「マインド(心)のないスキル(技)は相手に響かず、誰も動いてくれません。かといって、技がないと心が届かず、空回りしてしまいます」という訴えには、決意をあらたにさせられた。WSの世界に飛びこむ人たちにとって、いつも側にいてやさしく見守ってくれる先輩のような一冊だ。
読了日:2月21日 著者:堀公俊
ジョジョリオン 9 (ジャンプコミックス)ジョジョリオン 9 (ジャンプコミックス)
読了日:2月20日 著者:荒木飛呂彦
七つの大罪(13) (講談社コミックス)七つの大罪(13) (講談社コミックス)
読了日:2月20日 著者:鈴木央
砂糖の世界史 (岩波ジュニア新書)砂糖の世界史 (岩波ジュニア新書)
読了日:2月17日 著者:川北稔
独創短編シリーズ (2) 野崎まど劇場(笑) (電撃文庫)独創短編シリーズ (2) 野崎まど劇場(笑) (電撃文庫)感想
だっはっは。くだらねぇ。前のもくだらなかったけど、今度もやっぱりくだらねぇ。本のなかにQRコードが出てきたらどうしたって読み込まないわけにはいかないし、スマホに何と表示されようとも笑っちゃうよなあ。筒井康隆?と思うけど、残念ながらそこまでのレベルには達してない(そもそも作者はそんなこと望んでないだろうし)。でも若かりしころ『六枚のとんかつ』を放り投げたぼくも角がとれて、はっきりいって読んでも読まなくても人生に何の影響もないこんな本でも楽しく読めるようになったことを確認できて、それがウレシイ。
読了日:2月15日 著者:野崎まど
デザイン思考が世界を変える (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)デザイン思考が世界を変える (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)感想
さすが世界最高のデザイン・ファームIDEOのCEOが書いただけあって読みごたえがある。豊富な実例が紹介されているが、本質に焦点があてられているため、じゅうぶんに理解したとは言いがたく、また読み返したい。貯金したいのにできない人たちに、使うだけで貯金させるバンク・オブ・アメリカの「キープ・ザ・チェンジ」がやはり印象深かった。シンプルに問題解決するサービスには美しさすら感じる。
読了日:2月14日 著者:ティム・ブラウン,TimBrown
インターネット的 (PHP文庫)インターネット的 (PHP文庫)感想
十年以上前に新書で刊行された本の文庫化。いまの時代が予見されているという評価を受けての非常にめずらしいケース。「インターネット的」(決してインターネットではない)の特徴をリンク・フラット・シェアと看破している。シェアしてもらった人は「ありがとう」と思えばいい。これは「いいね」ボタンだ。半完成のアイデアを投げかけてみる。これはリーン・スタートアップだ。この本に書かれていることがすでに実現されているからといって読まないのはもったいない。ここには、この先古びることのない原点が記されているのだから。
読了日:2月14日 著者:糸井重里
データの見えざる手: ウエアラブルセンサが明かす人間・組織・社会の法則データの見えざる手: ウエアラブルセンサが明かす人間・組織・社会の法則感想
人に興味があれば科学が苦手でも読める。「時間の使い方を意思により自由に決める」「幸せを制御する」「運をつかむ」「購買単価を上げる」。これまで定性的に語られることの多かった法則が、ウエアラブルセンサによる定量的なデータ(ヒューマンビックデータ)の研究によって明らかにされていく。「人を楽にすること」によって、人間らしく生きることを阻害する面もあったテクノロジーが「人の潜在力を発揮」することを支援する。そんな人とテクノロジーの調和する未来が、すぐそこまできているのかもしれないという希望を抱かせてくれた。
読了日:2月11日 著者:矢野和男
実践 デザイン・シンキング実践 デザイン・シンキング感想
「デザイン思考」のなんたるかもわからないままではマズイと思い、『デザイン思考が世界を変える』とどちらを先に読もうか迷ったすえに事例中心のこちらを選んでみたけど、もう少し吟味してから購入すべきだった。というのは、前書きで雑誌の特集をまとめて一部加筆したものであると断っているのだが、本文中の図版を指し示す位置がちがっていたり、事例紹介が物足りなかったりして、やっつけ仕事であるのが明白だからだ。とはいえ巻末のデザイン思考を理解するための15冊は初心者にはありがたい(これも雑誌からそのまま掲載したみたいだけど)。
読了日:2月9日 著者:
トリツカレ男 (新潮文庫)トリツカレ男 (新潮文庫)
読了日:2月8日 著者:いしいしんじ
ワークショップ―新しい学びと創造の場 (岩波新書)ワークショップ―新しい学びと創造の場 (岩波新書)
読了日:2月8日 著者:中野民夫
その女アレックス (文春文庫)その女アレックス (文春文庫)感想
昨年、話題をさらったミステリ。帯やあらすじ紹介から勝手にどんでん返しを期待しちゃあイケマセン。脇役にいたるまで魅力的なキャラがそろっている。題名にもなったアレックスもさることながら、真相を追うパリ警視庁犯罪捜査部班長のカミーユがイイ(名前にコンプレックスはもってません)。極端なチビで、無愛想で、皮肉屋。すぐかっとなり、ある事件により心に傷を負っている。感情移入を拒む設定なのに、すごく魅力的だった。
読了日:2月4日 著者:ピエールルメートル
かけがえのないもの (新潮文庫)かけがえのないもの (新潮文庫)
読了日:2月2日 著者:養老孟司
イスラーム国の衝撃 (文春新書)イスラーム国の衝撃 (文春新書)
読了日:2月1日 著者:池内恵
コミュニケーション力を引き出す (PHP新書)コミュニケーション力を引き出す (PHP新書)感想
演劇になんとなく敷居の高さを感じていた。しかし著者の蓮行さんの演劇ワークショップに参加して、なんてもったいないことをしていたんだ、オレは!と後悔した。インプット、感じ方は人それぞれでいい。むしろバラバラなほうがいい。しかしそれでは社会生活が営めない。集団で共有できたものを、合意できたものとして時間内にアウトプットする。演劇が歴史的に養うことを担ってきたこの姿勢は、まさにいまという時代に求められているものじゃないか。「コミュニケーション教育の裾野を広げる」という演劇の役割が知れ渡ることを願ってやまない。
読了日:1月29日 著者:平田オリザ,蓮行
川原泉傑作集 ワタシの川原泉III (花とゆめCOMICSスペシャル)川原泉傑作集 ワタシの川原泉III (花とゆめCOMICSスペシャル)
読了日:1月25日 著者:川原泉
わかりあえないことから──コミュニケーション能力とは何か (講談社現代新書)わかりあえないことから──コミュニケーション能力とは何か (講談社現代新書)感想
職業柄印象に残ったのは、コンテクストの「ずれ」。ちがいであれば気づきやすいが、「ずれ」はそうであるかどうか気づきにくいのだ。そしてぼくが支援している人たちは、そもそもコンテクストを感じとるのが苦手だ。しかし昨今は、価値観がバラバラなままで、それでもどうにかしてうまくやっていこうという動きが見られるようになってきている。コミュニケーションといえば心からわかりあうこととされ、人格と結びつけられがちだが、そうではないということを知り、そこを出発点として価値あるアウトプットを実現すること。取り組むに足る課題だ。
読了日:1月25日 著者:平田オリザ
川原泉傑作集 ワタシの川原泉IV (花とゆめCOMICSスペシャル)川原泉傑作集 ワタシの川原泉IV (花とゆめCOMICSスペシャル)
読了日:1月24日 著者:川原泉
奈良「地理・地名・地図」の謎 (じっぴコンパクト新書)奈良「地理・地名・地図」の謎 (じっぴコンパクト新書)
読了日:1月23日 著者:
GIANT KILLING(34) (モーニング KC)GIANT KILLING(34) (モーニング KC)
読了日:1月23日 著者:ツジトモ
機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト (8) (カドカワコミックス・エース)機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト (8) (カドカワコミックス・エース)
読了日:1月23日 著者:
僕は君たちに武器を配りたい エッセンシャル版 (講談社文庫)僕は君たちに武器を配りたい エッセンシャル版 (講談社文庫)
読了日:1月20日 著者:瀧本哲史
君に友だちはいらない君に友だちはいらない感想
誤解を抱かせる題名だ。もちろんこの本の著者は、友だちなんて無意味だと言いたいわけではない。この題名は踏み絵みたいなものだろう。個人的におもしろいと思ったのが、この本で著者が主張していることがほとんどそのまま、この本の前に読んだ『人を助けるすんごい仕組み』で実践されていることである。ちがいは、FacebookTwitterなどのSNSが『人を助ける~』ではその有効性が示されて好意的に取り扱われているのに対し、この本では著者が警鐘を鳴らす生き方を促進するツールとしてあげられている点である。要は使い方なのだ。
読了日:1月18日 著者:瀧本哲史
人を助けるすんごい仕組み――ボランティア経験のない僕が、日本最大級の支援組織をどうつくったのか人を助けるすんごい仕組み――ボランティア経験のない僕が、日本最大級の支援組織をどうつくったのか感想
ボランティア経験なしの学者である著者が、日本最大級の支援組織「ふんばろう東日本支援プロジェクト」をどうつくったのかが語られる。著者が研究しているのは「構造構成主義」という耳なれない原理論。いかにも現場とはほど遠そうに思えるこの理論の実践が立ち上げた、効果的なプロジェクトの数々に圧倒される。構造構成主義には「方法の原理」というものがあり、これは方法の有効性は「状況」と「目的」から規定されるという考え方である。そんなことでうまくいくの?と半信半疑の人は騙されたと思って読んでみてほしい。本当に「すんごい」から。
読了日:1月17日 著者:西條剛央
喧嘩稼業(3) (ヤンマガKCスペシャル)喧嘩稼業(3) (ヤンマガKCスペシャル)感想
あまりオススメできる内容じゃないんだけど、やっぱりめっちゃオモロイ。ギャグが持ち味のマンガ家がシリアスなことを描くと、狂気スレスレの迫力がある。いまのところ、これと「それでも町は廻っている」と「海街diary」が終わるときは想像したくない。
読了日:1月9日 著者:木多康昭
現場のプロがやさしく書いた Facebookマーケティングの教科書現場のプロがやさしく書いた Facebookマーケティングの教科書
読了日:1月3日 著者:アライドアーキテクツ株式会社ソーシャルメディアマーケティングラボ
エスノグラフィー入門 <現場>を質的研究するエスノグラフィー入門 <現場>を質的研究する感想
エスノグラフィーとは民族誌の訳語で、フィールドワークに基づいて人間社会の現象の質的説明を表現する記述の一種のことをいう(なんのこっちゃ)。これを著者は「人びとが実際に生きている現場を理解するための方法論」と表現する。平易な語り口で懇切丁寧にそのプロセスや心がまえを説いてくれるが、だからといって理解と実践は容易ではない。それはエスノグラフィーが徹底して現場の学問であるからだ。「あたりまえ」だと思っていたことがある現場では「あたりまえ」ではなく、そのズレを感じたときにこそ研究すべき成果が約束される。ステキだ。
読了日:1月2日 著者:小田博志
なぜ障がい者を雇う中小企業は業績を上げ続けるのか?―経営戦略としての障がい者雇用とCSRなぜ障がい者を雇う中小企業は業績を上げ続けるのか?―経営戦略としての障がい者雇用とCSR感想
障がい者の就労支援にたずさわっている自分のような者にとって第一のステークホルダーは、就職を希望する障がい者の方たちである。その希望を実現するためにわれわれは注力しているが、目の前のことに気をとられるあまり、受け入れる側の企業もまた重要なステークホルダーであるということに考えがいたっているとはいえない、と思うときがある。障がい者雇用を社会貢献とだけとらえるのではなく、経営戦略として位置づけことの必要性や、経営上の効果を生みだすためのポイントなどを説明・支援できるようになることの大切さを痛感した。
読了日:1月1日 著者:影山摩子弥

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